日本産哺乳類・ コキクガシラコウモリ の拡大頭骨模型を作製しました!

コキクガシラコウモリ の頭骨模型

日本各地でみられる コキクガシラコウモリ Rhinolophus cornutus) の、拡大頭骨模型を作製しました。

今回の記事では、 コキクガシラコウモリ の野生写真や、模型製作過程の一部を公開します。

コキクガシラコウモリ ってどんなコウモリ?

キクガシラコウモリ (Rhinolophus ferrumequinum)と比べて小型のコウモリ類で、北海道、本州、四国、九州、三宅島など各諸島に分布する日本固有種として知られています。

 

アンフィ佐々木の撮影した野生写真をご覧ください。

洞穴でぶら下がっている様子です。

洞穴内の コキクガシラコウモリ の動画です。

コキクガシラコウモリ はどんな頭骨をしているの?

キクガシラコウモリ科における頭骨の特徴を今回作製した拡大模型を使って解説します。

コキクガシラコウモリ 前顎骨の突出

前顎骨は口蓋枝として、その基部を除き大部分は頭骨から分離し、前方に突出した骨になっています。

コキクガシラコウモリ 頭骨模型
コキクガシラコウモリ 頭骨模型

下顎の臼歯は計6対(小臼歯3+大臼歯3)

小臼歯と大臼歯の説明

小臼歯が青、大臼歯を赤でくくりました。

第二小臼歯が非常に小さいですが確認できます。

 

データ基の頭骨のサイズは2㎝にも満たないため、その第二小臼歯は非常に確認が難しく、また、人に説明する際も困難です。

これだけ大きい拡大模型があれば、下顎が6対あることを容易に説明可能です。

 

画像の個体は、東海地方で得られたコキクガシラコウモリの頭骨標本です。

なお、3Dスキャンした個体とは別個体です。

模型作成方法

青い四角が撮影をした角度です。

東海地方の洞窟内で、落っこちて干からびて死んでいた個体からデータを取得しました。

頭蓋骨と下顎を撮影し、合計約400枚となりました。

 

もっと詳細な方法については3Dデータを担当している 佐々木のページ からご確認いただけます。

コキクガシラコウモリ の3Dデータ
コキクガシラコウモリ 3Dモデル
コキクガシラコウモリ 3Dモデル

フォトグラメトリーを使って撮影した約400枚の画像を3Dデータにしました。

コキクガシラコウモリ の動画

現在、3Dプリンターでの出力が完了し、AMPHI Skull Collectionにて販売中です。

コキクガシラコウモリ 頭骨模型

参考にした図書 阿部 永. 2000. 日本産哺乳類頭骨図説. P184,185

 

こんなところに トトロカギムシ !?

ここにいないはずの トトロカギムシ が!?

早速ですが、こちらの写真を見ていただきましょう。

アンフィ合同会社の作業場裏で奇妙な生き物が見つかりました。

捕まえて様々な角度から観察してみました。

既にお気づきの人もいらっしゃるかもしれませんが、実はこの奇妙な生き物は模型です!

トトロカギムシ Eoperipatus totoro の二倍拡大模型を作品として作製してみました。

 

騙されてしまった人にはごめんなさい!

※カギムシの仲間は日本には生息していません。

0.01㎜ピッチの3Dプリンターを使用しているため、足先のカギ爪まで再現しています。

カギムシ って何?

トトロカギムシ もわからないけど、カギムシ って何?と思われた人も少なくないのではないでしょうか。

そこで、カギムシ について簡単に解説します。

有爪(ゆうそう)動物門に属するカギムシの仲間はイモムシのような姿をした捕食者であり、陰湿地の森などに生息しています。

昆虫類、クモ類、甲殻類など関節肢をもつ節足動物とは類縁関係にあります。

頭部に1対の触覚があり、組織間の空隙に血リンパが染み出す解放血管系をもつという特徴が共通しています。

しかし、ずんぐりとした多数の短い肢には関節がなく、柔らかい皮膚を覆う丈夫な外骨格を欠く点が節足動物と異なります。

夜行性。乾燥に弱いため、湿った場所にのみ生息しています。

粘膜を噴出して獲物の動きを封じることができ、ほかの無脊椎動物や、時には自身と同じ大きさの動物も捕食することが知られています。

参考にした図書 スミソニアン協会・ロンドン自然史博館監修. 2020. ZOOLOGY 図鑑 動物の世界. P332

トトロカギムシ 卓上にもピッタリ!?

手のひらサイズの模型なので、オフィスのデスクや、食卓の机に置くことも可能です。

トトロカギムシ がこちらに向かってきているようでとても可愛いですね。

作品ページにて公開中

この トトロカギムシ の模型は現在、アンフィ合同会社の作品ページにて公開中です。

トトロカギムシ

今後も作品として公開可能になった模型を掲載していきます。

ご期待ください。

雷魚(ライギョ)とも呼ばれる カムルチー の拡大頭骨模型を作製しました!

カムルチー ってどんな魚?

雷魚(ライギョ)とも呼ばれる カムルチー (Channa argus) の拡大頭骨模型を作製しました。

 釣りや飼育目的で人気が高い種として有名です。

細長く円筒形の体つきで、蛇に似た顔から英名では”Snakehead(スネークヘッド)”とも呼ばれています。

熱帯魚などを飼育するアクアリウムが趣味の方の中には、なじみ深い名前と感じる方も少なくないのではないでしょうか。

静岡県の静岡市で採取した上記の画像の個体から、頭骨を取り出し、フォトグラメトリーの技術を使って3Dデータを作製しました。

使用した機材やソフトウェアについては後半でご説明します。

野生でみられた カムルチー の姿です。

画像中央付近に浮上していることがわかります。


空気呼吸ができる魚としても知られ、沼や池でも見られます。

3Dデータ作製に関する情報

先程の カムルチー 頭骨を3Dスキャンし、3Dデータを作製しました。
そのため、データのモデリングは行っていません。

3Dスキャンの機材には最高画質の一眼レフを使用しています。

撮影機種:Canon EOS 5Ds
撮影環境:ターンテーブル
撮影条件:RAWデータ ISO感度100

上記の条件で多角から撮影した数百枚の画像で、Metashape(ソフトウェア名)を使用し3Dデータ作製しました。

熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンターを使用し、素材には(Poly-Lactic Acid)PLAを使用しているため、植物性由来の樹脂を使用しています。

いよいよ カムルチー の拡大模型公開!

下顎が上顎より前に出ている特徴的な顔つきや、鋭い歯に注目してご覧ください。

骨格標本と模型を比べると?

小さい方が本物の骨格標本で、大きい方が今回作製した カムルチー の頭骨模型です。

標本と並べた画像から、精密さや大きさがわかります。

迫力あるオシャレなインテリアにも!

340gと画びょうでも留められるほど軽く、また骨格標本と比べ頑丈です。

お部屋やテーブル上のインテリアとしてだけでなく、ルアーなどの釣り道具をひっかける道具としてのご使用もいかがでしょうか。

本商品はAMPHI Skull cllectionの商品として現在も販売中です。

https://amphillc.com/sales/amphi-skull-collection/s-31

 

ネットオークションのヤフオクからも販売していることがあります。

こちらについては不定期で販売しており、他商品もお得に販売していることもあるため、要チェックです。

 

 

是非、ご検討くださいませ。

深海のサメで有名な ラブカ の模型を作製しました!

ラブカ ってどんな魚?

ラブカ の頭部の模型を作製しました!

ラブカ は深海に生息し、サクラエビやハダカイワシなどを食べる捕食者です。

博物館や水族館でもあまりお目にかかれない、原始的な特徴を残すサメの一種です。

駿河湾産の雌の ラブカ をベースに模型を原寸大で作製しました。

ラブカ Chlamydoselachus anguineus

特徴的な鰓もこだわって作製しました。

ラブカ 販売中!

下記URLよりご購入いただけます。

https://amphillc.thebase.in/items/42259752

今後もアンフィ合同会社では、多種多様な精密模型を作製していきます。

今後ご紹介できる模型についても、どうぞご期待くださいませ。

ダイアウルフの頭骨模型を作成しました!

絶滅種であるダイアウルフの頭骨模型を作成しました。

ダイアウルフ Canis dirus

 

0.1㎜ピッチの3Dプリンターを用いて作成しました。

ダイアウルフの頭骨

手で持つと下の画像のようなサイズ感でした。

今後も、絶滅種や現生種、地形図など様々な自然物の模型を作成予定です。

キアンコウの模型を作成しました!

キアンコウの模型を作成しました!

キアンコウ Lophius litulon

重さは約70gほどで軽く、取り扱いは簡単です。

テーブル上のインテリアや、壁掛けとしてもご使用いただけます。

最大長は約17.5㎝です。

手のひらサイズのわりに、かなり迫力のある模型です。

 

今後も当社のオリジナル商品を作成していきますので、ご期待ください。

和歌山県の古座川でオオサンショウウオを観察してきました!

オオサンショウウオ(Andrias japonicus

 

オオサンショウウオを観察するために、和歌山県の古座川へ行ってきました。

古座川へ行くのは4カ月以上ぶりで、前回行った時、季節はまだ夏でした。

※9月1日の「今日の生き物」参照

今日の生き物NO.35

そのため、探す際の寒さや、この時期にもオオサンショウウオは変わらずに観察できるのかなど若干の不安がありました。

お昼には古座川へ到着し探し始めますが、錆びたような茶色いアユや、ハゼ類などの魚類ばかりが見つかり目当てのオオサンショウウオは全く見つかりませんでした。

また、前回来た時と比べて目視できる魚数は減り、川底の珪藻類が前回より多くヌルヌル滑って川での移動がしにくかった事が印象に残っています。

前回も日が落ちて暗くなった頃に見つかったことから、夜まで車内で待機することにしました。

午後5時半ほどからヘッドライトを付け再開しました。

結果的に前回観察した場所からやや下流側で発見しました。

岩と岩の隙間に隠れていますが、反対に回り込むと顔が見えました。

観察していると、右前肢に大きな怪我をしている個体であることに気づきました。

皮が裂け肉が見えており、オオサンショウウオが動くたびにビラビラと皮が揺れ、痛々しく見えました。

岩の隙間から別の岩の隙間へと移動しますが、怪我している為か動きが遅く見えました。

また、全長は60㎝ほどの個体でした。

10分ほど動き回っていましたが、自分の身体を上手く収められる隙間を見つけたのか、移動をやめました。

 

顔や身体の模様から前回(8月30日)古座川で見たオオサンショウウオとは別の個体であることがわかります。

京都で見た交雑種と思われるオオサンショウウオは全体的に黒く、三重県で見たオオサンショウウオは全体的に赤っぽくオレンジ色でした。

それらの記憶と比べると、古座川で見るオオサンショウウオは全体的に黄色っぽく、黒斑がやや小さい印象を受けました。

様々な場所で何回もオオサンショウウオを見ることで地域差や個体差があることが少しずつわかってきました。

それらの理解を模型製作へ活かしたいと考えています。

オオサンショウウオは当社のオリジナルグッズであるMuseum on the Wallの題材にもなっている生物です。

B-1 MWオオサンショウウオ壁掛け

これからも定期的に観察し、模型製作の技術力の向上に努めたいと考えています。

カメラ:Nikon COOLPIX W300

ヘッドライト:Helius LED usb充電式

胴長:エクセル チェストハイ ウェーダー

今日の生き物NO.38

シマヘビ

Elaphe quadrivirgata

撮影日:2020年10月2日金曜,会社周辺
掲載日:2020年10月8日木曜

外での作業中に突然現れた。顔のアップの画像が欲しかったため、近距離で撮影を試みていた際、シャッター音に驚いたのか、頭を三角にして怒っているように見えた。(撮影者・江田)

赤黒い舌を出し入れしていた。
下顎や体側に連続した白斑が見られた。
全体が黒く、いわゆるカラスヘビであった。

引用文献 高田 榮一・大谷 勉 .2011.原色爬虫類両生類検索図鑑.p126-p127

♦今日の生き物シリーズ
アンフィ合同会社は本物の生き物を観察することで、よりリアルな模型の製作を目指しています。そこで、弊社が位置する自然豊かな紀美野町周辺で見られる生き物を紹介します。

今日の生き物NO.37

ナマズ

Silurus asotus

撮影日:2020年8月29日土曜,橋本川
掲載日:2020年9月8日火曜

シュノーケルごしに観察した。日の差し込む砂利の上で休んでおり、陸からでも身体の一部が確認できた。口の傷からもわかる通り、2枚の画像は同個体であるが角度によって体色や模様が違って見えた。(撮影者・江田)

目は背側部にあり、前鼻孔の鼻管はごく小さかった。
口の周辺の髭は二対見られ、背鰭と尻鰭は完全には連続していなかった。また、脂鰭がなく、背鰭基底は著しく短かった。

引用文献 中坊 徹次.2013.日本産魚類検索図鑑.p63・p337

♦今日の生き物シリーズ
アンフィ合同会社は本物の生き物を観察することで、よりリアルな模型の製作を目指しています。そこで、弊社が位置する自然豊かな紀美野町周辺で見られる生き物を紹介します。

今日の生き物NO.36

クサガメ

Mauremys reevesii

撮影日:2020年8月29日土曜,橋本川
掲載日:2020年9月2日水曜

橋本川で潜っている際に見つけた
背甲には三列のキールが見られた。写真の個体は黒く、雄特有のメラノーマが見られた。
他の個体では、側頭部と下顎・頸部には緑黄色の不規則な線や線状斑紋などが見られた。

引用文献 高田 榮一・大谷 勉.2011.原色爬虫類・両生類検索図鑑.p53

♦今日の生き物シリーズ
アンフィ合同会社は本物の生き物を観察することで、よりリアルな模型の製作を目指しています。そこで、弊社が位置する自然豊かな紀美野町周辺で見られる生き物を紹介します。