9haもの巨大な棚田を3Dデータ化するために、カメラ付きドローンの空撮を地元の棚田の関係者にお願いして実施しました。ドローンは4K撮影が可能で、飛行時間は約8分です。ドローンは棚田全体を見渡せる高台から出発し林縁に沿ってフライトしてもらいました。
現地にパソコンを持ち込み、撮影してもらった動画を1秒に1枚の画像へと変換し、総数419枚の画像をフォトグラメトリ専用ソフト「Agisoft Metashape」で3Dデータ化しました。図中の青いブロックが撮影位置で、ドローンの軌道となります。ドローンは左回りにフライトしました。
3Dデータを使って手のひらサイズのジオラマ模型を作成しました。小さく出力しても形状が分かるように3D編集ソフトZBrushを使い、勾配を1.5倍程度、表面構造のコントラストを1.6倍程度あげて畦や農道をはっきりさせました。そして、光造形式の3Dプリンターを使い出力し、着色担当に色を塗ってもらって完成です。今後は棚田の生き物も順次3Dデータ化する予定で、現在までにギューリキマイマイやムササビを3Dデータ化してみました。
完成した模型は棚田の再生プロジェクト(http://kiminoriceterrace.com/)のイベントに活用してもらう予定です。計画では棚田の景観や生物を観察しながら模型に色を塗ってもらい、里地里山の自然により興味を持ってもらうことを期待しています。
執筆:佐々木