三葉虫 の拡大レプリカを作製しました!

 実際の化石をもとに 三葉虫 のレプリカを作製しました。

三葉虫
標本(右)とレプリカ(左)
三葉虫
標本よりも二回りほど大きい

三葉虫 って?

 およそ5億年前から2億5千年前まで生きていた古生物で、その種類の多さから「化石の王様」として人気があります。節足動物の仲間で、伸びた姿や丸まった姿は同じ節足動物のダンゴムシやムカデに似ています。

レプリカのこだわり

・複眼

 今回作成したファコプス類には現生の昆虫とは比較にならないほど大きな個眼をもつものがいます。通常、昆虫の顔を見ても個眼の一つ一つを見ることはできませんが、ファコプス類の個眼は肉眼でもはっきり見えることが多いです。
 本レプリカは高解像度の写真から3Dモデルを作製することで、元の化石どおり個眼の並びがわかるくらいきれいに複眼が再現されています。
 三葉虫 の中でも特異なこのタイプの複眼は、どのように周りの景色を見ていたのか興味が尽きません。

標本
レプリカ(赤丸部分が複眼)
・丸まった姿勢

 三葉虫 の多くは、丸まった姿勢になることができます。本来、化石は動かないものですが、 三葉虫 は伸びた姿勢と丸まった姿勢の両方から”動き”を想像できることが、人気の理由の一つではないでしょうか。
 三葉虫 が丸まる姿勢をとれるのは、一つ一つ体節がきれいにはめ込まれ、頭と遠い尾部がきっちりはめ込まれるからです。

 作製したレプリカは、きれいに収納された側葉と、頭と尾部がきっちりはまっている 三葉虫 の機械チックな部分も再現されています。

モデル上で伸びた姿勢の標本との重ね合わせ
・化石をもとにした色の表現

 化石からは生きていたころの色がわからないため、元になったモロッコ産化石の黒色とロシア産の化石特有のオレンジ色を再現しました。元にした化石はモロッコ産で、モロッコ産の艶のある黒は化石の微細な凹凸まで保存されている状態の良い証です。ロシア産の艶のあるオレンジ色は、色で産出地がわかるほど特徴的できれいな色でこれまた保存状態の良さを示しています。

選べる二色

 今回作製した種類は”THE 三葉虫 ”ですが、今後はとげとげしたものやつるつるしたもの、へんてこな形のものなどいろいろな種類を作製できることに期待です。

 

執筆:新垣