化石・地質担当の新垣です。5月5日(木)に「 三葉虫レプリカ の色塗り体験講座」と題したワークショップを開催しました。今回の記事では、その内容と様子をお伝えします。また、5月15日(日)まで和歌山市民図書館2Fにて展示「5憶年前の記憶~三葉虫の魅力~」が開催されています。まだ展示をご覧になっていない方は是非足を運んでください
ワークショップで使用した色塗りレプリカは試行錯誤を繰り返して作製しました。初期案として「丸くなった三葉虫」を3Dプリンターで出力し実際に塗ってみました。参加者視点になってみると、このレプリカでは伸びている状態から丸くなる”動き”を想像しにくく、また着色中に手も汚れてしまいました。
そこで「丸くなった三葉虫」と「伸びた三葉虫」を一つのレプリカにして完成させました。また、3Dデータ上でサイズを調整することで、実際に丸くなった時のサイズ比を再現しました。台座を付けたことで着色中に手が汚れることもありませんでした。
試作品を作るコストが抑えられたことや、簡単にサイズを調整できる事は3Dプリンターを活用するメリットの一つだと再確認しました。
ワークショップ午前の部は、展示を見て当日に参加を決めた人もいました。午後の部は満員で、多くの参加者に三葉虫の魅力を伝えることができました。
今回のイベントは、「展示解説」と「レプリカへの色塗り」の2つに構成をわけました。
展示解説の内容は①三葉虫の生きていた時代、②様々な形のものがいたこと、③これから塗るレプリカです。本物の三葉虫の化石だけではなく、拡大レプリカも使って構造や機能について説明しました。
色塗りパートではリアルなレプリカ作製のコツを二つお伝えしました。一つ目は、母岩と化石を塗りわける事。二つ目は三葉虫の体節に沿って着色をすることです。
お子さんが集中して塗っている間に、親御さんから前半の展示解説の質問がありました。「三葉虫ってなんの仲間なんですか…?」や、「何を食べていたんですか?」など素朴だけれど鋭い質問にで回答させていただきました。
イベント開始から終了予定の45分程度が経ち、完成した参加者がちらほらと出てきたのを見計らって終了の合図をしました。それぞれのレプリカを見ると、化石に似せた暗い色ではなくピンクや青など明るい色の独創的な三葉虫もありました。三葉虫のレプリカ作製を皆さんが楽しんでいただけたのではないでしょうか。
今回の展示では、知名度の低い三葉虫を楽しんでいただけるために、多くの工夫を凝らしました。拡大レプリカを見ている人から「へー三葉虫って丸くなるんだー」や「とげとげしてる」などの声が聞こえたときは三葉虫について知ってもらえて、面白いと思ってもらえてよかったと思いました。ワークショップでは、お子さんだけでなく保護者含め多くの人に質問をしていただきました。
これからも博物館ではなかなか味わえない、アンフィならではの展示、ワークショップを続けていきたいです!