肉を食らう チスイコウモリモドキ

執筆:佐々木彰央

チスイコウモリモドキ

Vampyrum spectrum (Linnaeus, 1758)

 

チスイコウモリモドキ はメキシコ、中米、南米に分布する翼長0.7-1.0m、体重134-189gにもなる大型のコウモリ類で、1758年に南米で採集された個体を基にスウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネによって記載されました。吸血鬼を意味する「Vampyrum」が属名につけられていますが、血だけではなく肉を得ることが知られています。頭骨は食肉目に似た形状をしており、大きな犬歯が極めて特徴的です。獲物は昆虫類の他に、ネズミ類、鳥類、さらには他のコウモリ類を襲うことが知られており、獲物の頭上から舞い降りて、翼で覆ってから鋭い親指の爪と強靭な顎で相手をむさぼり食います。

凶暴な印象の一方で、一夫一妻制であることが知られており、獲物をパートナーや子供が待つ住処まで運び分け与える様子が報告されています。

現在、本種は絶滅が危惧されており、地域住民による駆除や開発行為が問題となっています。

 

引用

GBIF:Vampyrum spectrum (Linnaeus, 1758) (gbif.org)

NATIONAL GEOGRAPHIC:メキシコ肉食コウモリの飛翔 撮影の真相 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト (nikkeibp.co.jp)

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